初代ポケモン「赤緑」と初代ポケモンカードゲームは同時並行で開発されていました。
そのため、ゲームの製品版では没になってしまった設定がカードには残ったまんま、となっている可能性も高いのです。
そういう理屈で、カードゲームはある意味初代ポケモンの開発時代の仕様の変遷を考察する際の資料に成りうるのです。
当記事では、
タイプ相性に特にスポットライトを当ててみたいと思います。
まず、カードにあまり馴染みが無いという方のためにも「カードでのタイプ相性の基礎知識」の紹介を。
「抵抗力」は、ゲームでいう無効(こうかが ない みたいだ…)をカードで再現したものと考えてください。
草タイプ
・ゲームでいう草、虫、毒タイプにあたるポケモンに割り当てられる。
・草、虫にあたるポケモンには

が、毒にあたるポケモンには

がそれぞれ弱点に設定されている。
(炎技→草ポケ:抜群 炎技→虫ポケ:抜群 エスパー技→毒ポケ:抜群 の再現か)・ストライクやズバット等、一部のポケモンには

が抵抗力に設定されている。
(地面技→飛行ポケ:無効 の再現か)
炎タイプ
・ゲームでいう炎タイプにあたるポケモンに割り当てられる。
・

が弱点に設定されている。
(水技→炎ポケ:抜群 の再現か) 伝説の特権という事なのだろうか、ファイヤーだけは例外で弱点が無い。
・抵抗力を持つポケモンは基本的に存在しないが、リザードンとファイヤーには

が抵抗力に設定されている。
(地面技→飛行ポケ:無効 の再現か)
水タイプ
・ゲームでいう水、氷タイプにあたるポケモンに割り当てられる。
…と言っても、第1世代では氷タイプのポケモンはフリーザーとルージュラ以外全て水複合で、しかもルージュラはカードでは

に割り当てられている。
フリーザーが

になったのはパルシェンやラプラスなんかにつられてきただけと考えても特別支障は無い。
・

または

が弱点に設定されている。
(草技→水ポケ:抜群 電気技→水ポケ:抜群 の再現か) ほとんどは

弱点で、

弱点はニョロモ系など少数。この違いは一体どういう基準で決められたんだろうか…。
伝説の特権という事なのだろうか、フリーザーだけは例外で弱点が無い。
・抵抗力を持つポケモンは基本的に存在しないが、ギャラドスとフリーザーには

が抵抗力に設定されている。
(地面技→飛行ポケ:無効 の再現か)
雷タイプ
・ゲームでいう電気タイプにあたるポケモンに割り当てられる。間違われやすが、カードでの呼称は
雷(かみなり)。
・

が弱点に設定されている。
(地面技→電気ポケ:抜群 の再現か) 伝説の特権という事なのだろうか、サンダーだけは例外で弱点が無い。
・抵抗力を持つポケモンは基本的に存在しないが、サンダーには

が抵抗力に設定されている。
(地面技→飛行ポケ:無効 の再現か)
超タイプ
・ゲームでいうエスパー、ゴーストタイプにあたるポケモンに割り当てられる。
・エスパーにあたるポケモンには

が弱点に設定されている。
(ゴースト技→エスパーポケ:抜群 の再現か) ゴーストにあたるポケモンには弱点が無い。
・ゴーストにあたるポケモンには

が抵抗力に設定されている。
(格闘技→ゴーストポケ:無効 の再現か)
闘タイプ
・ゲームでいう格闘、地面、岩タイプにあたるポケモンに割り当てられる。
・格闘にあたるポケモンには

が、地面、岩にあたるポケモンには

が弱点に設定されている。
(エスパー技→格闘ポケ:抜群 草技→地面ポケ:抜群 草技→岩ポケ:抜群 の再現か)・地面にあたるポケモンには

が抵抗力に設定されている。
(電気技→地面ポケ:無効 の再現か) また、プテラには

が抵抗力に設定されている。
(地面技→飛行ポケ:無効 の再現か)
無タイプ
・ゲームでいうノーマル、飛行、ドラゴンタイプにあたるポケモンに割り当てられる。
・ノーマルにあたるポケモンには

が、飛行にあたるポケモンには

がそれぞれ弱点に設定されている。
(格闘技→ノーマルポケ:抜群 電気技→飛行ポケ:抜群 の再現か) ドラゴンにあたるポケモンには弱点は無い。
・ノーマル、ドラゴンにあたるポケモンには

が、飛行にあたるポケモンには

がそれぞれ抵抗力に設定されている。
(ゴースト技→ノーマルポケ:無効 地面技→飛行ポケ:無効 の再現か)
さてさて、カード特有の感覚といったモノがなんとなく掴めたでしょうか。
…ゲームのポケモンを遊んだ方、とりわけ初代の経験者の方なら何点か違和感に気付いたでしょう…。
上記の「基礎知識」や例として挙げたカードたちには
ゲーム版との食い違いがいくつか存在します。
ちょいと確認してみましょう。
1.エスパーにあたるポケモンの
弱点
(ゴースト技→エスパーポケ:抜群 の再現か)なんてさらっと書いちゃいましたけど、皆さんも知っている通り
初代ではゴースト技→エスパーポケは無効です。これが抜群に修正されたのは金銀から。
…もともと初代でもこのタイプ相性は抜群にするつもりだったけど、設定ミスで無効になっちゃった。ってのはわりかし有名なエピソードですかね?
まぁそのエピソードにさらに真実味を加える証拠材料のひとつ、という事で。
まさかこんなところにも設定ミスだったという痕跡が残ってるとはねぇ…。
2.ドラゴンタイプにあたるポケモンの
抵抗
はゲームでいうエスパー、ゴーストタイプ。ミニリュウがその

に抵抗力を持っているというのは明らかにおかしいですよね。
…実は、コレに関しては「ゲームの開発段階の没設定の名残り」とは考えづらいです。というかなーんでこんな事になったのかてんで予想がつかない…w
「ノーマルポケは

抵抗にするけど、ついでにドラゴンもそうしちゃおうか?」みたいなノリだったのかな?(適当)

ちなみにハクリューも同じく

抵抗ですが、カイリューは

抵抗です。これは飛行タイプがついたからでしょうかね。
3.レアコイルのじばく…タイプ関係無いですねハイ。スミマセン。いやでも、これもかなり興味深い話題なんでちょっと触れさせてください。

カードでは「じばく」という技を持っていますが…。
初代ではコイル系列は自爆や大爆発を習得する事は出来ませんでした。というか、こいつらが爆発系の技を使えるようになったのはダイヤモンド・パールからです。これ重要。
そして、こちらの画像もご覧下さい。

さっき挙げたレアコイルのカードと、これら5枚の計6枚。
初代ポケモンカードゲーム前期の拡張パックに収録されていたコイル系列・ビリリダマ系列のカードはこの6枚で全てです。
(わるいポケモンやジムリーダーのカードが収録された拡張パックは「後期」なのでここでは除きます)…これ、明らかにおかしいですよね。
ゲームでは「爆発技の代名詞」と言ってもいいビリリダマ系列がカードでは一切それらしき技を持っていません。
逆に、ゲーム版では自爆も大爆発も覚えないコイル系列がカードでは何故かしょっちゅう爆発していますね。
…この矛盾を見て、こんな仮説が立てられないでしょうか?
「爆発するキャラ」ポジションのポケモンは、開発段階ではビリリダマ系列ではなくコイル系列の予定だったのではないか?もちろん推測、というか妄想に過ぎませんが…。うーん気になりますねぇ。
4.ニドクインの抵抗力
この記事の最初の方でも触れていたように、「抵抗力」はゲームでいう無効(こうかが ない みたいだ…)をカードで擬似的に再現したものです。
…だとしたら、毒・地面タイプのニドクインもカードでは

に抵抗力を持っているべきですよね…?リザードンが

に、ラッキーが

にそれぞれ抵抗力を持っているように。
「抵抗力を持つべきタイプなのに与えられていない」ポケモンカードは他にも存在します。

イシツブテやイワークは皆さん知っての通り岩・地面。なのに

への抵抗力がありません。

イシツブテの進化後のゴローンやゴローニャ、あとニドクインと同じ毒・地面であるニドキングも同様です。不思議ですね…。
実は、この4つ目の食い違いには初代ポケモンの没設定ネタの中でも一、二を争うほどのどでかい規模の謎が隠されているのです。
…流石に長くなりすぎたのでこの記事はこの辺で締めておきます。抵抗力の謎はまた別の記事でじっくりと触れるので。
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- 2013/09/29(日) 15:44:09|
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